現在、30代研修医の1児のパパですが、実は社会人を経験しており宅浪を経て無事に医学部合格を果たした経緯があります。受験期間中は、最初の1年目は働きながら医学部受験をし、2年目からは完全に仕事を辞めて受験勉強に専念しました。私の場合は特に苦労しなかったのですが、周りをみていみると辞められない人が意外に多くいました。今回は、「意外と再受験生あるある?!」な受かったのに仕事を辞められなかった人について考察と対策についてコメントします。
【難易度別】医学部再受験で仕事が辞めやすいタイミングとすぐに辞められない場合の対策
働きながら医大学合格を目指し始めた頃は、実際に合格した後で迫られる対応や状況などは当然ながら想像がつかないものです。
受験勉強に専念する場合や合格後の退職の段取りについて、これから再受験する方に向けて心づもりが出来るように、退職がうまくいかない場合の対策も交えて、退職パターンを難易度別にご紹介していきます。
【難易度:易】医学部合格に向けて受験勉強に専念するために辞める
私の場合も受験勉強に専念すると決めて、あらかじめ職場に退職の意を示していました。
私の場合もそうでしたが、社会人が受験勉強に専念するために会社を辞める時期は、大体が新年度が始まる4月からが一般的だと思います。
理由はシンプルに、同じ年度の一般入試に向けて十分な準備時間を確保するためです。
多くの予備校が年度ごとに一般入試に向けて受験勉強のスケジュールを組んであり、授業についていくためにも4月から通い始める必要があるからです。
また、模試の実施スケジュールも予備校ごとにすでに決まっていて、宅浪受験者であればなおさら、学習到達度を客観視出来るツールとして必至の模試は早いところで4月から実施されるため押さえておく必要があります。
年度が切り替わるタイミングでの退職は、3月いっぱいで辞めることになるのとあらかじめスケジュールが分かっているため、前もって退職の意志を伝えやすいです。また、会社側にとっても人事整理が済んでおり比較的受け入れやすい状態であるため、辞めやすい時期になります。
また、仕事を辞められなかったとしても最悪、仕事しながら勉強はできるのと、退職までの期限を取り付けることは出来るため、予定通り退職ができなくても進路については影響は少なくてすみます。
よって、比較的辞めやすく退職できなくてもさほど困らないので、難易度やさしめです 笑
【難易度:中】学士編入試験の合格が分かったので辞める
学士編入試験の場合、試験日程は大学によって異なりますが下半期(6月〜12月)の間に行われます。そのため試験結果も同じ時期に判明するので、合格してから新年度入学までに最低でも3ヶ月の猶予があります。
学士編入試験であれば、合格が分かった時点で会社に退職の意志を示せば間に合うことが多いです。ところが会社側と折り合いがつかず、万が一、新年度に間に合わない例もあるようでした。
私のひとつ上の先輩がまさにそうで、仕事をどうしても辞めることができなかったため1年休学して入学したようです。
学士編入の場合は、大学3年生から入学することになるので、新年度の4月から落とすことができない専門分野の単位がフルで入ってきます。そのため、すぐに辞められないからといって働きながら通うという選択肢は不可能です。
すぐに退職できない場合は、中途半端に仕事と学業を両立することになり学費ももったいないので、仕事を辞めるメドが立つまでの辛抱と割り切って、休学の手続きを進めたほうが無難です。
学士編入の場合は合格発表から入学までの期間が短い大学もあり、大学が始まっても必修の授業数が多いため仕事が辞められなかった場合の影響は大きいです。
合格発表の時期によっては退職がスムーズにいかないこともあるため、難易度は上がってきます…
【難易度:激難】一般入試の合格が分かったので辞める
働きながら一般入試を受けて医大に合格した猛者は、入学するためにさらなる大きな試練に挑まざるを得ません。
というのも、一般入試の場合は前期試験の結果が2月中旬ごろ、後期試験の結果は3月ごろに発表されます。つまり、結果が分かるぎりぎりまで働いて、合格と分かった瞬間から残り数週間で退職し入学準備を進めなくてはいけません。
法律上では退職届を出してから14日経過すれば辞めることができるとされているので、結果が分かり次第、退職届を出せばなんとか入学まで間に合いますね、理論上。
けれど、多くの会社の就業規則では1ヶ月前からと定めてあったり雇用期間が決まっている有期契約社員の場合はそもそもすぐに辞めることができないため、入学にこぎつけるのは至難です。
一般入試で合格した場合、数週間以内に仕事を辞めて入学準備をする必要があるのですが、職場の理解がないと相当難しいと思います。
そのような時の対策として知っておいて欲しいことをまとめます。
まず大学1年生から入学することになるので、すでに大学を卒業したことがある場合は一般教養の単位を免除してもらうことができます。
一般教養科目とは、専攻する学部の専門的な知識や技能とは別に、一般的な教養を高める目的で履修できる科目のことで、多くは大学1〜2年生の間に課せられている履修科目になります。
教養科目が免除されれば、大学1年生の間は授業が週に数コマ、もしくは全く無くなる場合もあります。ただし、大学によっては医学部のような専門性が高い学部だと、早めに専門分野の授業が組まれているところもあるため、教養科目の免除によるスケジュール調整が通用するのは、大学1年生の前期ぐらいまでといったところです。
また、大学1年生に限ってですが、単位が取得できなくても多くは進級することができるため2年生で再受講して取得することも可能です。
けれど、カリキュラムによって難しい場合もあるので、その時は休学してから退職の準備を進めたほうが無難です。
いざとなったら、入学はしておいて大学1年生の間に仕事を辞められるように図ってみるのも手です。
すぐに辞めることができず働きながら大学に通っている方もいましたのでご紹介します。
いざという時の最終手段、退職代行を使う!
再受験入学すると医師として働き出すころにはある程度いい年齢になってしまう事もあって、医学部に受かったのであればあまり時間を無駄にしたくないですよね。
人生の大きな岐路に立った時、今までお世話になった職場に対してどこまで配慮するのかは個人の道義心によりますが、自分に対して犠牲や負担が大きい場合は歩みすぎる必要は無いです。
ここからは、いざという時の最終手段として、利用したい退職代行を紹介していきます。
退職代行を選ぶポイント
退職代行は主に、労働組合が運営・提携している場合、弁護士が携わっている場合、諸資格を持たない民間会社が運営している場合の3通りあります。
労働組合の場合は、『労働者の労働条件その他労使関係に関連する事項について、労働組合が団体として、使用者と交渉することつまり団体交渉をすること』つまり団体交渉権が認められているため、当事者本人に代わって退職の手続きを行うことができます。
弁護士の場合は、退職手続きの代理から裁判における代理人を務めるといった幅広い対応ができます。
諸資格を持たない民間会社の場合は、上記のような権限を持たないため、退職の意志を会社側に伝えるのみとなり、退職手続きは基本的に自分でする必要があります。
退職の意志を伝える際に、退職の手続きまで代行してもらいたいのか、会社側と揉める可能性があるのか、会社側に退職の意志を伝える手助けをしてもらいたいのか、自分と会社の関係を客観的にみて必要なサービスを選んでいきます。
基本的に働きながら合格できる方は、まじめで優秀な方が多いと思います。
真面目で優秀すぎるゆえ抱え込んでしまったり、会社に強く慰留されてしまうケースもあると思います。
こういう方が退職代行を考える場合は、法的根拠を持って権利を行使できる退職代行サービスをおすすめします。
料金がお手頃な労働組合が運営・提携する退職代行サービスを選ぶ場合
労働組合は団体交渉権(日本国憲法第28条 労働三権)をもつため、「労働条件などについて雇用側と交渉し文書などで約束を交わすことが出来る権利」を行使することができます。
つまり、退職日や有給消化の日程調整、退職金の手続きなど、本来自分でしないといけない退職時に必要な手続きを代行してもらうことができ、もし会社側が退職を拒否(本人の退職の意志を証明できないと言われて保留にされてしまうケースなど)してきた場合も労働組合であれば交渉することができます。
また、会社側が退職の交渉自体を無視したり体裁だけを取り繕うだけの不誠実な対応をするケースがあります。この場合は団交拒否や不誠実団交に当たり不当労働行為(労働組合法第7条第2号)として会社側が違反することになります。そうなると、不当労働行為について労働組合は県の労働委員会に救済申し立てをする必要性が出てきます。この不当労働行為救済の救済申し立ては、資格要件を備え審査合格した労働組合に限定して行使できるものになります。
会社側が退職に対して比較的に協力的であり退職の手続きを代行してもらえればいい場合は問題はありませんが、無視をしたり不誠実な対応をとるなど会社側が退職に関して協力的でない可能性がある場合は、労働委員会から認証を受けた労働組合を選んだほうが良いです。
ここでご紹介するのは、実際に退職代行業務に携わる労働組合が労働委員会の認証をうけているものに限定してまとめています。
値段に差があるのは諸サービスの違いによるものなので、法的にどこまで動くことが出来る労働組合が必要なのかを見極めた上で、運営側との相性や対応の良し悪しと提示されている値段が見合うか、無料相談から判断してみてください。
東京都労働委員会の認証を受けている労働組合『日本労働基準組合』が運営する退職代行サービスになります。
労働委員会の認証を受けているため退職に関する手続きはもちろん、会社側が非協力でも交渉をする権限を持ちます。
東京都労働委員会の認証を受けている労働組合『東京労働経済組合』が運営する退職代行サービスになります。
こちらも労働委員会の認証を受けているため退職に関する手続きはもちろん、会社側が非協力でも交渉をする権限を持ちます。
神奈川県労働委員会の認証を受けている労働組合『労働環境改善組合』が運営する退職代行サービスになります。
こちらは顧問弁護士が業務を監修しているため、非弁行為を行わないで済むように注意をしています。また、万一の時は、弁護士の紹介も可能だそうです。ただし、弁護士による相談料などは別途発生する可能性があるため、注意してください。
基本料金が高め・相談料が発生する場合もあるけど、弁護士が携わる退職代行サービスを選んだ方がいい場合
当事者本人を代理して、退職に関するすべての交渉や手続きを進めていくことができます。また、会社側から突然の退職によるり発生した損害賠償請求や、会社側へ慰謝料など訴求したい場合、など法律業務が絡んでくる可能性があれば、弁護士による退職代行を利用したほうが良いです。
公務員の退職規定は民法に加え国家公務員法(第61条)や地方公務員法に規定されており、労働組合に加入できず労働三権制限があるため、その特異性から民間会社はもちろん労働組合の範疇を超える場合があるため、公務員の方が利用する場合は、弁護士が運営する退職代行を選択肢たほうが無難です。
弁護士法人みやびの退職代行サービス退職に関係するすべての手続や交渉事を任せられ、万が一の訴訟問題もカバーができます。
費用は他と比べて高額になりますが、不安要素がある場合は相談したほうが無難です。
こちらも退職に関係するすべての手続や交渉事を任せられ、万が一の訴訟問題もカバーができます。
こちらの法律事務所の強みとしては、公務員の方にも対応できると明言しているところです。
また、仕事の責任が思いポジションの方や非常に不誠実な対応をする会社に対して交渉力があるところもポイントです。
こちらも退職に関係するすべての手続や交渉事を任せられ、万が一の訴訟問題もカバーができます。
こちらは、かかる費用ががはっきりと明示しているところがポイントです。
多くの法律事務所による退職代行は、主に退職金請求を行う場合は別途費用がかかったり、成果報酬として退職金の数十パーセントを支払う契約があります。
こちらは、そういったオプションでかかる費用は無く、初めから必要な金額を明示しているため安心感があります。
労働問題専門の弁護士が運営する退職代行サービスです。
労働問題専門とあって、労働上の揉め事やトラブルについて対応力も実績もともに高いです。
慰謝料請求なども検討する場合は、こちらへ相談してみる価値は高いです。
退職代行を使わず、自力でスムーズに退職したい場合
なるべく退職代行を使わずに、円満に退職したいという場合は、退職できるようにサポートしてもらうサービスも出てきました。
セルフ退職ムリサポ!退職するにあたってなるべくスムーズに円満に進めていく方法や段取りをコンサルしてくれるサービスです。会社側にはいっさい退職支援を受けていることは知られずにフォローしてもらうことができるため、お世話になった会社とあまり拗らせずに確実に辞めたい方におすすめです。
自力での退職がうまく行かなかった場合に、先程もご紹介した関連会社である退職代行サービス【モームリ】にお願いすることも可能です。
まとめ
大学再受験のために仕事を辞める場合、見事働きながらも医学部合格という難関を突破してから退職を進めていく場合、いずれも人生最大の転機になります。
受験勉強に専念するために仕事を辞めるのであれば、ある程度見通しを立てやすいですが、合否が分かるまで働き続ける場合は、いざ受かった後の退職に向けての準備や大学入学の段取りはなかなか厄介なことが多いです。
うまく退職できなかった場合は焦らず、授業カリキュラムを確認したり大学の休学制度を利用するなどして、うまく退職まで両立できる方法を模索してみてください。
いよいよ難しい場合は退職代行を利用してください。
仕事が辞められないから、大学入学を諦めるという選択をすることはまず無いとは思いますが、退職できないがために抱え込んでしまわないようにぜひ参考にしていただければ幸いです。
コメント